陥入爪の治療法は、症状の程度や原因、患者さんの状態などによって様々です。基本的には、まず保存的治療(手術をしない治療法)が試みられ、それでも改善しない場合や、重症の場合に手術療法が検討されます。治療は主に、皮膚科や形成外科で行われます。【保存的治療】 1. 爪の切り方の指導: 陥入爪の最も重要な予防法であり、治療の基本でもあります。爪の角を深く切り込まず、四角く(スクエアカット)、指の先端と同じくらいの長さに保つように指導されます。2. テーピング療法: 食い込んでいる爪の横の皮膚を、テープを使って引き下げ、爪と皮膚の間に隙間を作ることで、爪の食い込みを和らげ、炎症を抑える方法です。比較的軽症の場合に有効です。3. コットンパッキング: 食い込んでいる爪と皮膚の間に、小さな綿球(コットンボール)や、専用のチューブなどを挿入し、爪が皮膚に刺さるのを防ぐ方法です。痛みを和らげ、炎症を改善する効果が期待できます。4. 外用薬・内服薬: 細菌感染を伴っている場合は、抗菌薬の塗り薬や飲み薬が処方されます。炎症や痛みが強い場合には、ステロイドの塗り薬や、消炎鎮痛剤の飲み薬が用いられることもあります。5. 矯正治療: 特殊なワイヤーやプレートを爪に装着し、爪の形を徐々に矯正していく方法です。巻き爪にも効果的ですが、陥入爪に対しても、爪の弯曲を改善することで食い込みを軽減する効果が期待できます。自費診療となることが多いです。【外科的治療(手術療法)】 1. 部分抜爪(フェノール法など): 食い込んでいる爪の縁の部分だけを、爪母(爪を作る組織)ごと切除し、その部分の爪が生えてこないようにする手術です。局所麻酔で行われ、比較的短時間で済みます。再発率が低いのが特徴です。2. 爪母形成術(鬼塚法など): 爪の幅を狭くするために、爪母の一部を切除する手術です。より根治的な治療法ですが、術後の痛みやダウンタイムがやや長くなることがあります。3. 肉芽切除: 炎症によってできた肉芽組織を切除します。多くの場合、陥入爪の処置と同時に行われます。これらの治療法は、医師が患者さんの状態を総合的に判断し、最適なものを選択します。治療期間や費用、メリット・デメリットなどについて、医師とよく相談し、納得した上で治療を受けることが大切です。
陥入爪の治療法どんなことをするの?