おしりの近くのできもの治療法とセルフケア
おしりの近くにできる「できもの」の治療法は、その原因や種類、症状の程度によって大きく異なります。医療機関での専門的な治療と並行して、自宅でできるセルフケアも、症状の緩和や再発予防に役立つことがあります。まず、医療機関での主な治療法です。* 細菌感染による炎症(肛門周囲膿瘍、せつ、炎症性粉瘤など)の場合: 抗菌薬の内服や塗り薬が処方されます。膿が溜まっている場合は、切開して膿を排出する処置(切開排膿)が行われることもあります。 * 粉瘤(アテローム)の場合: 炎症を起こしていない場合は、経過観察となることもありますが、大きくなったり、炎症を繰り返したりする場合は、局所麻酔下での手術(袋ごと摘出する)が根本的な治療法となります。 * 痔(いぼ痔、切れ痔など)の場合: 症状に応じて、軟膏や座薬、内服薬などが処方されます。生活習慣の改善指導も重要です。進行した場合は、手術が検討されることもあります。 * ウイルス感染症(ヘルペス、帯状疱疹、尖圭コンジローマなど)の場合: それぞれのウイルスに効果のある抗ウイルス薬(内服薬や塗り薬)が処方されます。次に、自宅でできるセルフケアです。* 患部を清潔に保つ: 入浴やシャワーで優しく洗い、清潔な状態を保ちましょう。ただし、ゴシゴシと強く擦るのは避けてください。排便後も、ウォシュレットなどで優しく洗い流すか、刺激の少ないトイレットペーパーで押さえるように拭きましょう。 * 下着は通気性の良いものを選ぶ: 綿素材などの通気性が良く、肌に優しい下着を選び、ムレを防ぎましょう。締め付けの強い下着も避けた方が良いでしょう。 * 刺激を避ける: できものをむやみに触ったり、潰したりしないようにしましょう。症状が悪化する原因となります。 * バランスの取れた食事と十分な睡眠: 免疫力を高め、皮膚のターンオーバーを正常に保つためには、健康的な生活習慣が基本です。 * 便秘をしない: 便秘は痔の悪化や、排便時のいきみによる肛門周囲への負担を増やすため、食物繊維を多く含む食事を心がけ、水分を十分に摂り、適度な運動をするなどして、便通を整えましょう。これらのセルフケアは、あくまで補助的なものです。症状が改善しない場合や、悪化する場合には、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。