家族が軽度認知障害(MCI)かも?気づきのサインと対応


「最近、親の物忘れが気になる」「以前と比べて、少し様子がおかしい気がする」…もし、ご家族にそのような変化が見られたら、それは軽度認知障害(MCI)のサインかもしれません。MCIは、本人よりも周囲の家族が先に気づくことも少なくありません。早期発見・早期対応が重要なMCIに対して、家族はどのように気づき、対応すれば良いのでしょうか。MCIに気づくためのサインとしては、以下のようなものが挙げられます。* 同じことを何度も言ったり、尋ねたりする * 約束や予定を忘れることが増えた * 物をどこに置いたか分からなくなることが頻繁にある * 料理の手順を間違えたり、電化製品の操作に戸惑ったりする * 言葉がスムーズに出てこない、物の名前が思い出せないことが増えた * 以前は興味のあったことに関心を示さなくなった * 身だしなみや家の整理整頓に無頓着になった * 些細なことで怒りっぽくなったり、逆に無気力になったりした * 慣れているはずの道で迷うことがあった これらの変化は、加齢による自然な物忘れと区別がつきにくい場合もありますが、「以前と比べて明らかに違う」「頻度が増えている」と感じたら、注意が必要です。家族ができる対応としては、まず本人の変化を否定したり、責めたりしないことが大切です。物忘れを指摘されると、本人は傷ついたり、不安になったりすることがあります。まずは、本人の気持ちに寄り添い、安心して話せる雰囲気を作ることが重要です。次に、具体的なエピソードを記録しておくと、医療機関を受診する際に役立ちます。いつから、どのような変化が見られるようになったのか、日常生活で困っていることは何かなどをメモしておきましょう。そして、早めに専門医への受診を勧めてみることです。ただし、本人が受診に抵抗を感じる場合もあるため、無理強いはせず、心配している気持ちを伝え、一緒に相談に行こうと誘うなど、根気強く働きかけることが大切です。「健康診断の一環だよ」「脳の検査を受けておくと安心だよ」といった声かけも有効かもしれません。医療機関では、医師が専門的な検査を行い、MCIかどうか、そしてその原因などを診断してくれます。家族の温かいサポートと、専門家との連携が、MCIの進行を遅らせ、本人の生活の質を維持するためには不可欠です。