大人がヘルパンギーナに感染する場合、その多くは子どもからの家庭内感染であると言われています。ヘルパンギーナは感染力が非常に強いため、家庭内に感染者がいる場合は、他の家族への感染を防ぐための対策が不可欠です。主な感染経路と、その予防策について理解しておきましょう。ヘルパンギーナの主な感染経路は、以下の3つです。1. 飛沫感染: 感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散ったウイルスを含む飛沫を吸い込むことで感染します。2. 接触感染: 感染者の唾液や鼻水、水疱の内容物などに直接触れたり、ウイルスが付着したドアノブやおもちゃなどを介して間接的に触れたりすることで、手や指を介して口や鼻、目の粘膜からウイルスが侵入し感染します。3. 糞口感染: 感染者の便の中に排出されたウイルスが、何らかの形で口に入ることによって感染します。特に、おむつ交換の後や、トイレの後に手洗いが不十分だとリスクが高まります。これらの感染経路からの感染を防ぐための予防策としては、まず手洗いの徹底が最も重要です。外出後、食事前、トイレの後、そして感染者の看病をした後などは、石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。アルコール手指消毒剤も、エンベロープを持たないウイルス(エンテロウイルスなど)に対しては効果が限定的であるため、石鹸による物理的な洗い流しが推奨されます。次に、咳エチケットの実践です。咳やくしゃみをする際は、ティッシュやハンカチ、あるいは袖などで口や鼻を覆い、周囲への飛沫の拡散を防ぎましょう。可能であれば、感染者も周囲の人もマスクを着用することが望ましいです。タオルや食器の共用を避けることも大切です。感染者が使用したものは分けて洗浄・消毒するのが理想です。また、感染者の便の処理には特に注意が必要です。おむつを交換した際や、トイレ掃除の際には、使い捨ての手袋を着用し、処理後は必ず石鹸で手を洗いましょう。ウイルスは便中に長期間排出されることがあるため、症状が治まった後も、しばらくは注意が必要です。ドアノブ、手すり、おもちゃなど、よく手が触れる場所も定期的に消毒します。消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を薄めたもの)などが有効です。これらの予防策を徹底することで、家庭内での感染リスクを減らすことができます。