陥入爪の症状別受診する科の選び方
陥入爪は、その症状の程度や特徴によって、最初に相談すべき診療科や、より適切な治療を受けられる診療科が異なってくることがあります。1. 爪が皮膚に食い込み始めた初期、軽い痛みや赤みがある場合: * 受診する科: 皮膚科。 * この段階であれば、爪の正しい切り方の指導や、テーピング、コットンパッキングといった保存的治療、あるいは抗菌薬の塗り薬などで改善することが多いです。早期の対処が重要です。2. 強い痛み、腫れ、熱感があり、ズキズキと痛む場合: * 受診する科: 皮膚科または形成外科。 * 細菌感染を起こし、炎症が強く出ている可能性があります。抗菌薬の内服や、場合によっては切開して膿を出す処置(排膿)が必要になることもあります。3. 赤い肉芽(にくげ:盛り上がった組織)ができている場合: * 受진する科: 皮膚科または形成外科。 * 肉芽は、爪の持続的な刺激によってできる炎症性の組織です。液体窒素による凍結療法や、ステロイドの塗り薬、あるいは肉芽の切除が必要になることがあります。食い込んでいる爪の処置も同時に行います。4. 爪の変形が著しい、または何度も再発を繰り返す場合: * 受진する科: 形成外科または皮膚科(手術も行っている施設)。 * 保存的治療では改善が難しく、根本的な治療として手術が検討されることが多いです。爪母の部分切除や、爪床形成術といった手術が行われることがあります。5. 足の指全体の変形(外反母趾など)や、歩き方に問題があり、それが陥入爪の原因と考えられる場合: * 受진する科: 整形外科。 * 足の骨格やアライメントの異常が、爪への負担を増やしている可能性があります。整形外科では、足全体の評価を行い、インソールの作製や、リハビリテーション、場合によっては骨の矯正手術などを検討することがあります。ただし、陥入爪そのものの処置は皮膚科や形成外科と連携して行うことが多いです。6. 糖尿病などの基礎疾患があり、足の傷が治りにくい、または感染しやすい場合: * 受진する科: まずはかかりつけの内科医に相談し、その上で皮膚科や形成外科、場合によってはフットケア外来のある専門施設を紹介してもらうのが良いでしょう。複数の症状が当てはまる場合や、判断に迷う場合は、まずは皮膚科か形成外科に相談してみるのが一般的です。