膠原病内科・リウマチ科シェーグレン症候群の専門医


シェーグレン症候群の診断と治療において、中心的な役割を担うのが「膠原病内科(こうげんびょうないか)」または「リウマチ科」です。これらの診療科は、免疫システムの異常によって自分の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」を専門としており、シェーグレン症候群もその代表的な疾患の一つです。膠原病(こうげんびょう)とは、全身の結合組織(コラーゲン線維など)に炎症や変性が起こる病気の総称で、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎など、様々な疾患が含まれます。シェーグレン症候群も、これらの膠原病類縁疾患として位置づけられています。膠原病内科医やリウマチ科医は、これらの複雑な自己免疫疾患に関する深い知識と豊富な臨床経験を持っています。シェーグレン症候群の診断においては、まず患者さんの訴える症状(目の乾燥、口の乾燥、関節痛、倦怠感など)や、これまでの病歴、家族歴などを詳細に聞き取ります。そして、身体診察(関節の腫れや圧痛、皮膚の状態、リンパ節の腫れなどを確認)を行います。診断を確定するためには、いくつかの専門的な検査が必要です。代表的なものに、血液検査による自己抗体の測定(抗SS-A/Ro抗体、抗SS-B/La抗体など)、眼科で行われるシルマーテスト(涙の分泌量を調べる検査)やローズベンガル染色・フルオレセイン染色(角結膜の傷つき具合を調べる検査)、そして口腔内科や耳鼻咽喉科で行われるガムテストやサクソンテスト(唾液の分泌量を調べる検査)、唾液腺シンチグラフィ、唾液腺生検(口唇の小唾液腺の組織を採取し、リンパ球浸潤の有無などを調べる検査)などがあります。これらの検査結果を総合的に評価し、国際的な診断基準などに基づいて、シェーグレン症候群の診断を下します。治療は、乾燥症状に対する対症療法(人工涙液、保湿剤、唾液分泌促進薬など)が中心となりますが、関節痛や全身倦怠感、あるいは内臓病変を伴う場合には、ステロイド薬や免疫抑制薬などが用いられることもあります。膠原病内科・リウマチ科は、シェーグレン症候群の長期的な管理と、合併症の予防・治療において、非常に重要な役割を果たす診療科です。