女性特有?おしりの近くのできもの婦人科も選択肢


おしりの近くにできものができた場合、特に女性にとっては、その場所や症状によっては婦人科系の病気の可能性も考慮に入れる必要があります。もちろん、多くは皮膚科や肛門科の領域の疾患ですが、念のため知っておくと良いでしょう。まず、外陰部(大陰唇、小陰唇、クリトリス周辺など)に近い部分にできものができた場合、婦人科系のトラブルが原因である可能性があります。代表的なものに、「バルトリン腺嚢胞(のうほう)・バルトリン腺膿瘍(のうよう)」があります。バルトリン腺は、膣の入り口付近にある小さな器官で、性交時に潤滑液を分泌します。このバルトリン腺の出口が詰まると、分泌液が溜まって嚢胞(袋状のしこり)ができ、時にはクルミ大くらいまで大きくなることがあります。通常、痛みはありませんが、細菌感染を起こして膿が溜まると(バルトリン腺膿瘍)、赤く腫れて強い痛みを伴い、発熱することもあります。この場合は、婦人科での治療(抗菌薬の投与や、切開排膿など)が必要となります。また、「外陰炎」といって、外陰部の皮膚や粘膜に炎症が起こり、赤み、腫れ、かゆみ、痛み、そして小さなできもの(湿疹や毛嚢炎など)ができることもあります。原因としては、カンジダなどの真菌感染、細菌感染、下着によるムレや摩擦、アレルギー(ナプキンや石鹸など)などが考えられます。これも婦人科または皮膚科が診療対象となります。さらに、性感染症(STD)の一つである「尖圭(せんけい)コンジローマ」も、外陰部や肛門周囲にイボ状のできものができる病気です。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で、かゆみや軽い痛みを伴うことがあります。この場合は、婦人科または皮膚科、あるいは**泌尿器科(男性の場合)**での専門的な治療が必要です。これらのように、おしりの近く、特に外陰部に近い部分のできものは、婦人科系の病気の可能性も否定できません。場所がデリケートなだけに受診をためらってしまうかもしれませんが、気になる症状があれば、早めに専門医に相談することが大切です。