関節痛や倦怠感があるシェーグレン症候群の受診先
シェーグレン症候群は、目の乾燥や口の乾燥といった外分泌腺の症状だけでなく、関節痛や全身倦怠感といった全身症状を伴うことも少なくありません。これらの全身症状は、日常生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があり、適切な対応が必要です。もし、乾燥症状に加えて、以下のような全身症状が見られる場合は、どの診療科を受診すれば良いのでしょうか。まず、関節痛が主な症状の場合です。シェーグレン症候群の関節痛は、手指の関節や手首、膝、足首など、複数の関節に左右対称に現れることが多く、朝のこわばりを伴うこともあります。これは、関節リウマチの症状と非常によく似ているため、鑑別診断が重要となります。このような場合は、膠原病内科またはリウマチ科の受診が最も適切です。これらの診療科では、血液検査(リウマチ因子、抗CCP抗体、抗核抗体など)や画像検査(レントゲン、関節エコーなど)を行い、関節リウマチや他の膠原病との鑑別診断を行います。シェーグレン症候群による関節痛と診断された場合は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、場合によっては少量のステロイド、あるいは疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)などが用いられることがあります。次に、全身倦怠感や疲労感が強い場合です。シェーグレン症候群の患者さんの多くが、原因不明の強いだるさや疲れやすさを訴えます。これは、病気そのものによる炎症や免疫異常、あるいは乾燥症状に伴う不眠やストレスなどが影響していると考えられています。このような場合も、まずは膠原病内科やリウマチ科で相談し、全身状態の評価を受けることが大切です。甲状腺機能低下症など、他の合併症がないかどうかも確認します。治療としては、十分な休息と睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動といった生活習慣の改善が基本となりますが、症状が強い場合には、漢方薬や、場合によっては少量のステロイドなどが検討されることもあります。乾燥症状だけでなく、これらの全身症状も伴う場合は、自己判断せずに専門医に相談し、総合的な治療を受けることが重要です。