耳の後ろの腫れコロナ以外の原因と見分け方
耳の後ろに腫れが生じた場合、コロナ禍においてはついコロナ感染を心配してしまいがちですが、実際にはコロナ以外の様々な原因が考えられます。適切な対処のためには、他の可能性も視野に入れ、症状を注意深く観察することが大切です。1. リンパ節炎: 最も一般的な原因の一つです。風邪やインフルエンザ、中耳炎、扁桃炎、歯周病、頭皮の湿疹など、頭頸部のどこかに感染や炎症があると、その防御反応として耳の後ろのリンパ節が腫れることがあります。通常、原因となる感染や炎症が治まると、リンパ節の腫れも徐々に引いていきます。痛みを伴うことが多いです。2. 流行性耳下腺炎(おたふく風邪): ムンプスウイルスによる感染症で、耳の下から顎にかけての唾液腺(耳下腺)が腫れるのが特徴です。耳の後ろ側にも腫れが及ぶことがあります。発熱や倦怠感、嚥下痛などを伴います。ワクチンで予防可能です。3. 粉瘤(アテローム): 皮膚の下に袋状の構造ができ、そこに角質や皮脂が溜まる良性の皮膚腫瘍です。耳の後ろにもできやすく、初期は小さなしこりですが、徐々に大きくなったり、細菌感染を起こして赤く腫れ、痛みを伴ったりすることがあります(炎症性粉瘤)。4. 脂肪腫: 脂肪細胞が増殖してできる良性の柔らかいしこりです。通常、痛みはありません。5. 接触皮膚炎や虫刺され: 化粧品やシャンプー、金属製のアクセサリーなどが原因でアレルギー反応やかぶれを起こしたり、虫に刺されたりして、耳の後ろが赤く腫れ、かゆみを伴うことがあります。6. 悪性リンパ腫などの腫瘍: 稀ではありますが、リンパ節の腫れが悪性リンパ腫などの腫瘍の初期症状である可能性も否定できません。進行性の腫れ、硬いしこり、原因不明の体重減少や発熱などを伴う場合は注意が必要です。見分け方のポイントとしては、まず腫れ以外の症状(発熱、痛み、かゆみ、発疹、しこりの硬さや動き、他の部位の症状など)をよく観察することです。また、腫れが出現した時期や経過(急に腫れたのか、徐々に大きくなってきたのか、以前にも同じようなことがあったかなど)も重要な情報となります。これらの情報を元に、医療機関を受診し、医師の診察を受けることが、正確な診断と適切な治療への第一歩です。