コロナ陽性で耳の後ろが腫れるケースはある?
新型コロナウイルスに感染した場合、耳の後ろが腫れるという症状が現れることはあるのでしょうか。結論から言うと、コロナ陽性者の症状として、耳の後ろのリンパ節が腫れるという報告はありますが、それが主要な症状であったり、頻繁に見られたりするわけではありません。新型コロナウイルスも、他の多くのウイルス感染症と同様に、体内に侵入すると免疫系が反応し、全身のリンパ節が腫れることがあります。リンパ節は、免疫細胞が集まり、病原体と戦う場所であるため、感染時には炎症反応によって腫大しやすくなるのです。耳の後ろには、耳介後リンパ節や後頸部リンパ節といったリンパ節が存在しており、これらのリンパ節がコロナウイルスに対する免疫反応の結果として腫れる可能性は考えられます。実際に、コロナ感染者の体験談や、一部の医療報告の中には、耳の後ろや首のリンパ節の腫れを経験したというケースが見受けられます。ただし、このリンパ節の腫れは、コロナに特有の症状ではなく、風邪やインフルエンザ、あるいは他の様々な感染症でも起こり得る一般的な反応です。また、コロナ感染に伴って、中耳炎や外耳炎、あるいは唾液腺の炎症(流行性耳下腺炎とは異なる、非流行性のもの)などを合併し、その結果として耳の後ろが腫れたように感じられることも稀にですがあり得ます。重要なのは、耳の後ろの腫れだけでコロナ感染を断定することはできないということです。コロナ感染を疑う場合は、発熱、咳、喉の痛み、倦怠感、味覚・嗅覚障害といった、より典型的な症状の有無や、感染者との接触歴などを総合的に考慮する必要があります。もし、コロナ陽性となり、その経過中に耳の後ろの腫れが現れた場合は、主治医にその症状を伝え、適切な指示を仰ぐようにしましょう。