足底筋膜炎は、足の裏にある足底筋膜に過度な負担がかかることで発症しますが、その原因は様々です。日常生活やスポーツ活動におけるいくつかの要因が、足底筋膜へのストレスを増大させ、炎症を引き起こすと考えられています。まず、**スポーツによるオーバーユース(使いすぎ)**は、足底筋膜炎の大きな原因の一つです。ランニング、ジョギング、ジャンプ、ダンスなど、足の裏に繰り返し衝撃がかかるスポーツを長時間行ったり、急に練習量を増やしたりすると、足底筋膜に微細な損傷が蓄積し、炎症が起こりやすくなります。特に、硬い地面でのトレーニングや、クッション性の悪い靴の使用は、足底筋膜への負担をさらに増大させます。次に、長時間の立ち仕事も、足底筋膜炎のリスクを高めます。販売員や調理師、工場作業員など、一日中立っていることが多い職業の方は、常に足の裏に体重がかかり続けるため、足底筋膜が疲弊しやすく、炎症を起こしやすい状態になります。また、不適切な靴の使用も原因となり得ます。底が薄すぎる靴、クッション性のない靴、ヒールの高い靴、あるいはサイズの合わない靴などを履いていると、足のアーチが適切にサポートされず、足底筋膜に過度な負担がかかります。加齢に伴う足底筋膜の変性も、発症要因の一つです。年齢とともに、足底筋膜の柔軟性が失われたり、筋力が低下したりすると、衝撃吸収能力が低下し、炎症が起こりやすくなります。特に40代以降の中高年の方に多く見られます。さらに、**体重の増加(肥満)**も、足にかかる負担を増大させ、足底筋膜炎のリスクを高めます。扁平足やハイアーチ(甲高)といった足の形態異常も、足底筋膜に偏った負荷をかけ、炎症を引き起こす原因となることがあります。これらの要因が単独で、あるいは複合的に関与して、足底筋膜炎を発症すると考えられています。
足底筋膜炎の原因立ち仕事やスポーツとの関係