毎日の晩酌が楽しみという方にとって、鏡に映る自分の姿は健康状態を測る最も手軽なバロメーターになります。特にお酒を好む人が注意深くチェックすべきなのが、身体に現れる赤い湿疹や皮膚の色の変化です。アルコールの過剰摂取が続くと、肝臓は脂肪を蓄え始め、次第に炎症を起こして組織が硬くなる方向へと進んでしまいます。この過程で現れるのが、胸元や首周りに出現する蜘蛛状血管腫です。小さな赤い点に見えますが、よく見ると中心から細い血管が伸びており、これが複数でき始めたら、肝臓がアルコールの処理に悲鳴を上げている証拠です。また、飲み仲間から「最近、手のひらが赤いね」と指摘されたことはないでしょうか。これは手掌紅斑と呼ばれるもので、肝機能が低下してホルモン代謝がうまくいかなくなると、手のひらの抹消血管が拡張して、まるでお酒を飲んでいる最中のような赤みが定着してしまいます。多くの人は、これをお酒による一時的なフラッシング現象、つまり赤ら顔と同じものだと考えがちですが、シラフの時でも赤みが消えないのであれば、それは一刻も早い休肝日と医療機関への相談が必要なレベルかもしれません。肝臓の病気は、痛みという形で現れることがほとんどありません。そのため、皮膚に現れる赤い斑点や、白目が少し黄色くなる、あるいは尿の色が濃くなるといった視覚的な変化こそが、私たちが気づくことのできる数少ないチャンスなのです。お酒は適量であれば潤滑油になりますが、身体のサインを無視して飲み続ければ、取り返しのつかない事態を招きかねません。もし自分の胸元に赤いポチッとした湿疹を見つけたら、それは「少し肝臓を休ませてくれ」という身体からの切実なメッセージだと受け止めてください。自分の適量を知り、定期的な検診を受けながら、皮膚の状態にも気を配ること。それこそが、長く楽しくお酒を嗜み続けるための秘訣であり、肝臓という代えのきかない相棒への礼儀でもあるのです。
お酒好きな人が注意したい赤い湿疹と肝臓の健康