忘れもしない3年前の春、私は親友の結婚式でスピーチを頼まれていました。準備万端で当日を楽しみにしていたのですが、式の2日前の朝、鏡を見て愕然としました。右目の上まぶたが真っ赤に腫れ上がり、まるでボクシングの試合後のような状態になっていたのです。瞬きをするたびにチクチクとした痛みがあり、いわゆる目もらいであることは一目で分かりました。なぜこのタイミングで、と天を仰ぎたくなりましたが、嘆いていても始まりません。その日は仕事がありましたが、昼休みを利用して職場近くの眼科へ駆け込みました。医師からは、麦粒腫という典型的な目もらいだと診断されました。連日の残業による過労と睡眠不足で免疫力が落ちていたところに、不衛生な手で目をこすってしまったのが原因だろうと言われました。処方されたのは、抗生物質の点眼液と軟膏、そして炎症を抑える飲み薬でした。私は藁をも掴む思いで、当日のスピーチまでになんとか目立たない程度に腫れを引かせたいと医師に訴えました。医師は苦笑いしながらも、薬を指示通りに使い、とにかく目を休めて、患部を刺激しないようにとアドバイスしてくれました。帰宅後、私はメイクを一切封印し、コンタクトレンズも眼鏡に切り替えました。患部が気になって触りたくなりますが、そこをぐっと堪えて、石鹸でこまめに手を洗うことを徹底しました。さらに、医師の許可を得て、冷やしすぎない程度に濡れタオルで患部を軽く鎮静させるなど、自分にできる限りのケアを行いました。迎えた式の当日の朝、鏡を確認すると、前日までの激しい赤みは少し和らぎ、腫れも半分程度に落ち着いていました。完璧な状態ではありませんでしたが、前髪やメイクの工夫でなんとか人前に出られるレベルにはなりました。式本番、腫れた目を気にしつつも、親友への祝福の気持ちを込めてスピーチを終えることができました。後で写真を見返すと、少し右目が細くなっているのが分かりますが、それも今となっては良い思い出です。この経験から学んだのは、目もらいは体の疲れを知らせるサインだということです。どれだけ気をつけていても、体調が万全でなければ、どこにでも潜んでいる菌に負けてしまいます。それ以来、少しでも目に違和感を覚えたら、すぐにアイシャンプーで目元を洗浄し、睡眠を十分に取るように心がけています。また、常に予備の眼鏡をカバンに入れ、目に負担をかけない生活を意識するようになりました。目もらいは小さな病気だと思われがちですが、見た目にも精神的にも大きなダメージを与えます。日頃の体調管理がいかに大切かを、私は自分の腫れたまぶたから教わったのです。
大切な日の前に目もらいができてしまった私の体験記