ある日突然、経験したことのないような高熱に襲われ、同時に腰のあたりにズキズキとした痛みが現れたら、それはただの風邪や腰痛ではないかもしれません。そのような症状の組み合わせで疑われる病気の一つに、腎盂腎炎があります。腎盂腎炎は、腎臓に細菌が感染し炎症を起こすもので、多くは膀胱炎から進行して発症します。この病気は迅速な治療が必要であり、適切な診療科を選ぶことが早期回復への第一歩となります。では、腎盂腎炎が強く疑われる場合、私たちはどの診療科の門を叩くべきなのでしょうか。最も専門的な知識と治療経験を持っているのは、泌尿器科です。泌尿器科は、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿の通り道(尿路)と、男性生殖器の病気を専門とする診療科です。腎盂腎炎は尿路感染症の一種であり、まさに泌尿器科医が日々向き合っている疾患の一つです。泌尿器科を受診すれば、尿検査や血液検査を通じて迅速に診断が下され、原因菌に合わせた適切な抗菌薬による治療が開始されます。症状の重さや全身状態によっては入院して点滴治療が必要になることもありますが、その判断も専門医である泌尿器科医が的確に行います。したがって、もし近隣に泌尿器科の医療機関があり、すぐに受診できる状況であれば、迷わず泌尿器科を選ぶのが最善の策と言えるでしょう。しかし、泌尿器科が近くにない、あるいは夜間や休日で専門医の診察が受けられないといった状況も考えられます。そのような場合には、内科を受診することも適切な選択です。特に、総合病院の内科や、腎臓病を専門とする腎臓内科であれば、腎盂腎炎の診療にも十分対応可能です。内科医も感染症の診断と治療には精通しており、初期対応や検査、抗菌薬の処方を行ってくれます。そして、必要に応じて後日泌尿器科への受診を勧めたり、紹介状を作成してくれたりするでしょう。また、普段から診てもらっているかかりつけの内科医がいる場合は、まずそこに相談するのも良い方法です。自分の健康状態をよく知る医師からのアドバイスは心強いものです。大切なのは、高熱と腰痛という危険なサインを見逃さず、自己判断で放置しないことです。これらの症状に加えて、排尿時の痛みや頻尿、血尿などがあれば、さらに腎盂腎炎の可能性が高まります。速やかに医療機関を受診し、医師の指示に従うことが、合併症を防ぎ、健康を取り戻すための最も確実な道筋です。
急な高熱と腰痛!腎盂腎炎なら何科