心がひどく疲れ、何も手につかない状態が続くと、自分はうつ病ではないかと不安になるものです。そのような時、まず悩むのが何科を受診すれば良いのかという点でしょう。結論から言えば、うつ病の治療を専門とするのは精神科や心療内科です。しかし、この2つの診療科には微妙な違いがあります。精神科は、気分の落ち込みや意欲の低下、幻覚、妄想といった、心の症状そのものを主な治療対象としています。うつ病や統合失調症、双極性障害などがその代表です。一方、心療内科は、ストレスなどの心理的な要因によって体に症状が現れる、いわゆる心身症を主な対象としています。例えば、ストレスで胃が痛む、頭痛がする、動悸がするといった症状が中心の場合は心療内科が適しています。とはいえ、現代のクリニックでは精神科・心療内科を併記していることが多く、うつ病の疑いがある場合はどちらを受診しても基本的には問題ありません。大切なのは、自分一人で抱え込まずに専門家の門を叩くことです。受診を迷っている間に症状が悪化し、外出することすら困難になってしまうケースも少なくありません。もし、体が重くて動けない、眠れない、食欲がないといった身体的な不調が先行している場合は、まず内科を受診して体に異常がないかを確認するのも一つの手です。内科で検査を受けても異常が見つからない場合、医師から心療内科や精神科への受診を勧められることもあります。また、病院選びの際には、通いやすさも重要なポイントになります。うつ病の治療は1回で終わるものではなく、数ヶ月から数年単位で継続的に通院する必要があるからです。自宅や職場から近く、自分がリラックスして話せる雰囲気の医師を見つけることが、回復への近道となります。最近では、夜間や土日に診療を行っているクリニックも増えており、仕事をしている人でも通いやすい環境が整っています。初診の際は、いつからどのような症状があるのか、生活にどのような支障が出ているのかを簡単にメモしておくと、診察がスムーズに進みます。費用については、保険診療が適用されるため、3割負担であれば初診で3000円から5000円程度、2回目以降は1500円から2500円程度が目安となります。お薬が処方される場合は、別途調剤薬局での費用がかかります。精神科への受診は心理的なハードルが高いと感じるかもしれませんが、風邪を引いた時に内科へ行くのと同じように、心の風邪を治すために専門家を頼ることは、自分を守るための極めて賢明な判断です。
うつ病の疑いがある時に行くべき診療科の選び方