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子供が腎盂腎炎?小児科か泌尿器科か
お子さんが突然高熱を出し、ぐったりしていたり、腰のあたりを痛がったりする様子が見られたら、親御さんとしては非常に心配になることでしょう。特に、おむつをしている年齢の乳幼児や、まだうまく症状を伝えられない小さなお子さんの場合、原因が分からず不安は募るばかりです。そのような症状の中に、腎盂腎炎の可能性が潜んでいることがあります。子供の腎盂腎炎は、大人と同様に細菌感染によって起こりますが、症状の現れ方や受診する診療科について、いくつか注意点があります。まず、子供の腎盂腎炎の症状ですが、発熱はほぼ必発です。原因不明の高熱が続く場合、腎盂腎炎も疑うべき疾患の一つです。年齢が低いほど、腰痛や背部痛といった局所的な症状を明確に訴えることが難しく、不機嫌、嘔吐、食欲不振、下痢といった全身症状や消化器症状が前面に出ることがあります。おしっこの回数が多い、おしっこをするときに泣く、尿の臭いがきつい、血尿が出るといった排尿に関する変化も重要なサインです。では、子供が腎盂腎炎かもしれないと思った時、何科を受診すればよいのでしょうか。基本的には、まずかかりつけの小児科を受診するのが一般的です。小児科医は子供の病気全般を幅広く診療しており、腎盂腎炎の初期診断や治療も行うことができます。小児科では、問診、診察、尿検査、血液検査などを行い、腎盂腎炎の可能性を評価します。もし腎盂腎炎と診断された場合、軽症であれば小児科で抗菌薬の内服治療が開始されます。しかし、症状が重い場合や、繰り返す腎盂腎炎、あるいは先天的な尿路の異常(膀胱尿管逆流症など)が疑われる場合には、小児泌尿器科や腎臓専門の小児科医への紹介が検討されることがあります。小児泌尿器科は、子供の泌尿器系の疾患を専門に扱う科であり、より専門的な検査や治療、手術などが必要な場合に頼りになります。特に、膀胱尿管逆流症などの基礎疾患が背景にあると、腎盂腎炎を繰り返しやすく、腎臓にダメージが蓄積する可能性があるため、専門的な管理が重要になります。したがって、最初のアプローチとしては小児科が適切ですが、状況に応じて泌尿器科(特に小児泌尿器科)との連携が必要になることを覚えておくとよいでしょう。何よりも大切なのは、お子さんの様子がおかしいと感じたら、早めに医療機関を受診することです。