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私の多汗症と受診した科の体験談
私は子供の頃から、人よりも汗をかきやすい体質でした。特に手のひらと足の裏、そして脇の汗がひどく、学生時代はテストの答案用紙が湿ってしまったり、体育の授業で手を繋ぐのが苦痛だったりしたことを覚えています。社会人になってからも、パソコンのキーボードが汗でべたつく、握手をするのがためらわれる、夏場は常に脇汗パッドが手放せないといった状況で、日常生活に少なからず支障を感じていました。特にプレゼンテーションなど緊張する場面では、滝のように汗が噴き出し、本当に困り果てていました。何とかしたいという思いは常にあったものの、汗っかきは体質だから仕方がないと諦めていた部分もあり、なかなか医療機関を受診する勇気が出ませんでした。しかし、ある時インターネットで「多汗症」という病名と、それが治療できる可能性があることを知りました。そして、どの診療科を受診すれば良いのかを調べたところ、皮膚科が専門であるという情報にたどり着きました。そこで、思い切って近所の皮膚科クリニックの門を叩くことにしたのです。診察では、まずいつから、どの部位に、どの程度汗をかくのか、日常生活で困っていることなどを詳しく聞かれました。医師は私の話を丁寧に聞いてくださり、「それはつらいですね。でも、今は良い治療法がありますよ」と優しく声をかけてくれたので、とても安心したのを覚えています。私の場合は、特に脇の汗がひどく、また手のひらも日常生活に支障があるレベルだったので、いくつかの治療法の選択肢を提示されました。まず脇の汗に対しては、ボツリヌス毒素製剤の注射を勧められました。保険適用であり、効果も高いとのことでした。手のひらに対しては、塩化アルミニウムの外用薬と、イオントフォレーシス療法を試してみることになりました。初めてのボトックス注射は少し緊張しましたが、麻酔クリームを塗ってもらったおかげで、痛みはほとんどありませんでした。そして数日後、あれほど悩まされていた脇の汗がピタリと止まったのです。これには本当に感動しました。手のひらの外用薬も、根気強く続けることで少しずつ効果が現れ、イオントフォレーシスも併用することで、以前よりは格段に快適に過ごせるようになりました。あの時、勇気を出して皮膚科を受診して本当に良かったと心から思います。もし同じように多汗症で悩んでいる方がいたら、まずは皮膚科で相談してみることをお勧めします。